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標準化関連の総まとめ|9キーワードを過去問と具体例で学ぶ【ITパスポート】

シカラボ編集部
標準化関連の総まとめ|9キーワードを過去問と具体例で学ぶ【ITパスポート】

コピー用紙のA4、非常口の走る人のマーク、Wi-Fi、パソコンのキーボード配列。ばらばらに見えるこれらには、共通点があります。どれも、あちこちで形や仕様が揃っているということです。ただし、揃うまでの道のりは同じではありません。公的な機関が正式に定めたものもあれば、企業が集まって決めたもの、市場で広まった結果そうなったものもあります。どういう経緯で標準になったのか——その違いが、そのまま試験で問われます。

この記事で学べるキーワード

分類キーワードひとこと
標準の3類型デファクトスタンダード市場で事実上の標準になった
デジュレスタンダード公的な標準化機関が定めた
フォーラム標準企業が集まって決めた
標準化団体と規格ISO国際標準化機構
IEEE米国の学会。LAN・無線LAN
JIS日本の国家規格(団体名ではない)
マネジメントシステム規格ISO 9000品質
ISO 14000環境
ISO/IEC 27000情報セキュリティ

分類ごとに、順に見ていきましょう。

そもそも標準化とは

過去問では、こう問われています。

生産活動を合理化するために、製造に必要な部品や手順を統一した。

(出典:ITパスポート試験 令和2年 問5「製造業における標準化の事例として、最も適切なものはどれか」の正解選択肢)

部品や手順を統一する。これが標準化の中身です。統一されていれば、部品は使い回せますし、作業も教えやすくなります。

ここで押さえておきたいのは、標準は「誰が決めたか」で性格が変わるということです。まずはその分け方から見ていきましょう。

標準の3類型

決めた主体が違えば、性格も変わります。3つを並べて見てみましょう。

デファクトスタンダード・デジュレスタンダード・フォーラム標準の3つを、決めた主体と代表例とあわせて並べた図。市場・公的機関・業界団体という違いを示している

デファクトスタンダード

市場で広く使われた結果、事実上の標準になったものです。誰かが「これを標準にします」と決めたわけではありません。使う人が増えて、気がついたら標準になっていた、という順番になります。

代表例は、パソコンのキーボードのQWERTY配列、Windows、そしてPDFです。

PDFはおもしろい経緯をたどっています。もともとはAdobe社独自の仕様でしたが、事実上の標準として定着したあと、2008年にISO 32000-1として国際規格になりました。デファクトから出発して、あとから正式な規格になった例です。

試験でのポイント: 「de facto」はラテン語で事実上のという意味です。「気づいたらみんなが使っていた」ならこれです。

デジュレスタンダード

公的な標準化機関が、正式な手続きを経て定めたものです。ISO規格やJISがこれにあたります。

試験でのポイント: 「de jure」はラテン語で法律上・正式なという意味です。デファクトの対義語にあたる、と覚えると混ざりません。

フォーラム標準

特定の分野に関心のある企業が集まって、団体をつくって決めたものです。公的機関ではないけれど、市場任せでもない。その中間にあたります。

代表例は次の3つです。

規格仕様を決めている団体
BluetoothBluetooth SIG
HDMI(2.x以降の仕様)HDMI Forum
USBUSB Promoter Group(基本仕様)/USB Implementers Forum(普及・認証・関連仕様)

Wi-Fiは注意が必要です。無線LANの技術規格そのものである IEEE 802.11 を決めているのはIEEEで、Wi-Fi Alliance は対応製品が互いにつながることを認証する団体です。名前が似ているので、決めている主体を取り違えないようにしましょう。

団体名に Alliance・SIG・Forum といった語が入っていれば、企業が集まった団体である手がかりにはなります。ただし名前だけでは判断できません。その団体が仕様そのものを決めているのかを確かめてください。

主な標準化団体と規格

ISO・IEC・ITU・IEEE・W3C・ICANNの6団体の担当分野を並べ、団体名ではなく日本の国家規格であるJISを別枠に置いた対応表の図

ISO(国際標準化機構)

正式名称は International Organization for Standardization。工業や科学技術など、幅広い分野の国際規格を定めています。

過去問では、こう問われています。「情報セキュリティマネジメントシステムや品質マネジメントシステムなどの標準化を行っている国際標準化機構はどれか」(平成30年春期 問32)。正解はISOでした。

たとえば非常口の「走る人」の図記号は ISO 7010 に収められた国際規格です。ネジ(メートルねじ)もISO規格で、だからどのメーカーのネジでも同じサイズなら合います。

IEEE(米国電気電子学会)

読み方は「アイトリプルイー」。LANや無線LANの規格を決めている、米国の学会です。

無線LANの規格 IEEE 802.11 は、この団体の名前がそのまま規格名に入っています。過去問でも「イーサネットのLANや無線LANなどに関する標準化活動を推進している、米国の学会はどれか」(平成28年秋期 問19)と問われ、正解はIEEEでした。

試験でのポイント: ISOは国際機関、IEEEは米国の学会です。この違いが誤答の作り方に使われます。

JIS(日本産業規格)

ISOやIEEEと違って、JISは団体名ではなく規格の名前です。日本の国家規格で、国(主務大臣)が定めます。

ISOなど、国際的な規格との整合性に配慮した規格である。

(出典:ITパスポート試験 平成27年春期 問14「日本工業規格(JIS)に関する説明のうち、適切なものはどれか」の正解選択肢)

ここで注意です。引用元の問題文が「日本工業規格」となっています。JISは2019年7月1日に「日本工業規格」から「日本産業規格」へ改称されました(工業標準化法が産業標準化法に改正されたため)。略称のJISは変わっていません。2019年より前の過去問では旧称が使われています。

もうひとつ大事なのが、JISへの適合は原則として任意だということです。規格に合っていないことを理由に、製造や販売が一律に禁じられるわけではありません。ただし例外もあります。法令の技術基準にJISが引用されている場合は、その法令のなかで強制力を持ちます(参考: 日本産業標準調査会「産業標準化とJIS」)。認証を受けた製品にJISマークが表示される、という仕組みです。

身近な例では、コピー用紙のA4・B5サイズ(JIS P 0138)や、トイレットペーパーの幅114mm(JIS P 4501)がJISで決められています。JISに適合した製品は幅が揃うので、市販のホルダーに収めやすくなります。

そのほかの団体

過去問の誤答としてよく並ぶ団体を、あわせて押さえておきましょう。

団体担当する分野
IEC電気・電子
ITU電気通信
W3CWeb技術(HTML・CSSなど)
ICANNドメイン名・IPアドレスの管理

ISOのマネジメントシステム規格

ISOの規格には、製品そのものではなく、組織の運営の仕組み(マネジメントシステム)を対象にしたものがあります。番号と分野の対応がそのまま出題されるので、ここは丸ごと覚えてしまいましょう。

ISO 9000は品質、ISO 14000は環境、ISO/IEC 20000はITサービスマネジメント、ISO/IEC 27000は情報セキュリティ、と番号と分野を対応させた図

ISO 9000(品質マネジメントシステム)

品質を管理する仕組みについての規格群です。中心になる規格はISO 9001で、希望する組織は第三者機関の審査を受けて認証を得られます(認証の取得は任意です)。

導入すると何が良くなるのかも問われます。整うのは、製品そのものではなく仕事の進め方のほうです。誰がどう検査し、不具合が見つかったらどう手を打つのか。その決め方が組織で揃うので、担当者が替わってもやり方がぶれにくくなります。ISO 9001は製品の出来ばえを保証する規格ではない、と押さえておきましょう。

ISO 14000(環境マネジメントシステム)

事業活動が環境に与える影響を管理し、環境パフォーマンスの継続的な改善を目指す仕組みの規格群です。中心になる規格はISO 14001です。

ISO/IEC 27000(情報セキュリティ)

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の規格群です。中心になる規格はISO/IEC 27001で、その国内対応規格がJIS Q 27001にあたります。

覚え方: 9が品質、14が環境、20がITサービス、27が情報セキュリティ。数字だけ覚えれば、選択肢は絞れます。

押さえておきたいその他の規格

規格内容
ISO 26000社会的責任(CSR)の手引
ISO 30414人的資本の報告・開示(2025年版)
ISO/IEC 20000ITサービスマネジメント
JIS Q 31000リスクマネジメント
JIS Q 38500ITガバナンス

ISO 26000は、認証を目的としない「手引」です。ISO 9001のように審査を受けて認証される規格とは性格が違う、と押さえておきましょう。

ISO 30414は2025年に改訂されました。名称が「人的資本の報告及び開示に関する要求事項及び推奨事項」となり、満たすべき項目が加わっています。2018年版の「指針」という説明のままにしないよう注意してください。

過去問に挑戦

それでは、実際の過去問を解いてみましょう。まずは団体と分野の対応からどうぞ。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和3年度 問2

国際標準化機関に関する記述のうち、適切なものはどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はエです。

正答の理由

ITUは電気通信分野の国際標準化機関です。電話・無線・放送といった通信の規格を扱っています。

誤答の解説

  • ❌ ア「ICANNは、工業や科学技術分野」→ ICANNが管理するのはドメイン名とIPアドレスです。工業や科学技術はISOの担当になります
  • ❌ イ「IECは、電子商取引分野」→ IECは電気・電子の分野です
  • ❌ ウ「IEEEは、会計分野」→ IEEEはLANや無線LANなどの分野です。会計とは無関係です

ポイント

  • 団体名と分野の対応を、まとめて覚えるのがいちばん速い
  • 誤答は「団体は実在するが、分野が違う」という作り方をしています。団体名だけ見て飛びつかないこと

もう1問、マネジメントシステム規格のほうも確認しておきましょう。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和6年度 問11

品質に関する組織やプロセスの運営管理を標準化し、マネジメントの質や効率の向上を目的とした方策として、適切なものはどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はイです。

正答の理由

品質を対象にしたマネジメントシステム規格がISO 9001です。設問がいう「組織やプロセスの運営管理の標準化」は、まさにこの規格が求めていることにあたります。

誤答の解説

  • ❌ ア「ISMSの導入」→ ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)が管理するのは情報の守り方です。規格はISO/IEC 27001にあたります
  • ❌ ウ「ITILの導入」→ ITIL(アイティル)は、ITサービスの運営のやり方をまとめた手引きです。品質のマネジメントシステム規格ではありません
  • ❌ エ「プライバシーマークの取得」→ 個人情報の取扱いが適切な事業者だと示す認定制度です。品質を対象にした仕組みではありません

ポイント

  • 番号と分野の対応を思い出せば選べる。品質なら9、情報セキュリティなら27
  • 誤答は別の分野のマネジメントの仕組みを並べてくる。「何を管理する仕組みか」で切り分けるのが近道です

まとめ

  • 標準化とは、部品や手順を統一して合理化すること
  • 標準は「誰が決めたか」で3つに分かれる。デファクト(市場)/デジュレ(公的機関)/フォーラム標準(業界団体)
  • 「de facto=事実上の」「de jure=法律上・正式な」。対になっている
  • ISOは国際機関、IEEEは米国の学会、JISは日本の国家規格
  • JISは2019年7月1日に「日本工業規格」から「日本産業規格」へ改称。略称は変わらず、適合は原則として任意
  • マネジメントシステム規格は番号で覚える。9が品質、14が環境、20がITサービス、27が情報セキュリティ

団体と番号の対応さえ押さえてしまえば、この分野は安定して取れます。まずは表を1回書き写してみてください。

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