データウェアハウスとデータマイニング|ためる仕組みと、掘り出す作業【ITパスポート】

レジを通すたびに、データはたまっていきます。ところがためただけでは、何も分かりません。「先月いくら売れたか」は、合計を出せば済みます。でも「一緒に買われやすい商品の組合せ」は、合計をいくら眺めても出てきません。そこまで行くには、もうひと工程あります。
データウェアハウスとは
過去問では、こう説明されています。
企業経営の意思決定を支援するために、目的別に編成された、時系列データの集まりを何というか。
(出典:ITパスポート試験 平成26年秋期 問16)
正解は「データウェアハウス」です。
ウェアハウス(warehouse)は倉庫。名前のとおり、分析のためにデータをためておく仕組みです。ただし、ただの保管庫ではありません。定義の中に、大事な条件が3つ入っています。
| 条件 | 意味 |
|---|---|
| 意思決定を支援するため | 日々の業務処理のためではない |
| 目的別に編成された | 分析したい切り口で整理されている |
| 時系列データ | 過去から現在までが、時間の流れで残っている |
3つ目がとくに大事です。たとえば去年の同じ時期と比べるには、過去の履歴が一定期間ためられている必要がありますよね。ここは押さえておいてください。
データマイニングとは
こちらも過去問から見てみましょう。
蓄積された販売データなどから、天候と売れ筋商品の関連性などの規則性を見つけ出す手法を表す用語はどれか。
(出典:ITパスポート試験 平成28年秋期 問27)
正解は「データマイニング」です。
マイニング(mining)は採掘。ためたデータの山を掘って、規則性を見つけ出す作業です。
キーワードは「関連性」と「規則性」です。「天候と売れ筋商品」のように、1件ずつ見ても分からない項目どうしのつながりを見つけます。目的を先に決めていてもマイニングです。
2つの関係

並べると、役割がはっきりします。
| データウェアハウス | データマイニング | |
|---|---|---|
| 何か | 仕組み(ためて管理する側) | 手法(掘り出す作業) |
| 名前の由来 | warehouse=倉庫 | mining=採掘 |
| 覚え方 | ためる | 掘り出す |
**片方は「ためる側の仕組み」、もう片方は「掘り出す作業」**です。名前の意味とセットで覚えておきましょう。
ただし、この2つは必ずセットではありません。ウェアハウスは日々の集計やレポートにも使い、マイニングは普通のデータベースにも使えます。「倉庫にためて、そこから掘り出す」はよくある組合せの一つです。
**BI(ビジネスインテリジェンス)**もいっしょに出ます。ためる=ウェアハウス、分析手法の一つ=マイニング、意思決定に生かす枠組み全体=BI、と3つ並べて覚えると選択肢で迷いません。
何が「マイニング」で、何がそうでないか
過去問では、単なる集計や検索と見分ける問題も出ています。データを扱えばマイニング、ではありません。

- 単なる集計・検索——「先月の売上はいくらか」「いちばん売れた商品は何か」。平均を出す・条件で探す・上位を並べるといった処理で答えが出る
- データマイニング——「一緒に買われやすい商品の組合せは何か」。データの中にある関連性や規則性そのものを見つけ出す
この手の問題は、「平均・検索・最大値で答えが出てしまう選択肢」を先に外すと解けます。残ったものが、データから関連性や規則性を導いている選択肢です。
ただしこれは選択肢を見分けるコツで、定義そのものではありません。**関連性の発見だけでなく、分類・グループ分け・予測も含まれます。**目的を決めて使うことも多い、と覚えておいてください。
試験ではこう出る
まずは、マイニングの事例を選ぶ形からどうぞ。
腕試し問題
出典:ITパスポート試験 平成23年特別 問9
データマイニングの事例として、適切なものはどれか。
解答と解説
解説(解答せずに開けます)
正解はアです。
正答の理由
「ある商品と一緒に買われることの多い商品」は、売上を合計しても出てこない関連性です。だからデータマイニングにあたります。
誤答の解説
- ❌ イ「過去3年間の月間平均売上高」→ 平均の計算だけ。関連性や規則性は見ていません
- ❌ ウ「ある製造番号の商品を売った販売店」→ 検索。条件に合う記録を探しているだけです
- ❌ エ「売上高が最大の商品と利益が最大の商品」→ 並べ替えて上位を見ているだけです
ポイント
- 誤答3つは、平均・検索・最大値。どれも集計や検索で答えが出ます
- 正解だけが「商品どうしの関連性を見つけ出す」形になっています
もう1問、データウェアハウスのほうを確かめておきましょう。
腕試し問題
出典:ITパスポート試験 平成22年秋期 問9
物流や販売などの部門ごとに散在していた、過去から現在までの全社のデータを統合して管理することによって、経営戦略の立案に役立てる仕組みはどれか。
解答と解説
解説(解答せずに開けます)
正解はアです。
正答の理由
「部門ごとに散在していたデータを統合」「過去から現在まで」「経営戦略の立案に役立てる」。3つとも、データウェアハウスの定義に出てくる条件です。
誤答の解説
- ❌ イ「データ中心アプローチ」→ データの構造を中心にシステムを設計する考え方。ためる仕組みではありません
- ❌ ウ「データマイニング」→ 掘り出す手法。統合して管理する仕組みではありません
- ❌ エ「データモデリング」→ データの構造を設計する作業です
ポイント
- 「散在していた」「統合して管理」「経営戦略の立案」が出たらデータウェアハウス
- 「蓄積」は目印になりません。「蓄積されたデータから」はマイニング側の言い回しです
- 誤答はすべて「データ○○」。名前の似た語をまとめて覚えておくこと
まとめ
- データウェアハウスは、意思決定を支援するために、目的別に編成された時系列データの集まり。マイニング専用ではなく、集計やレポートにも使う
- データマイニングは、蓄積されたデータから関連性や規則性を見つけ出す手法
- ウェアハウス=倉庫(ためる)、マイニング=採掘(掘り出す)。名前の意味がそのまま役割
- 選択肢を見分けるコツは「平均・検索・最大値で答えが出るものを外す」。ただしマイニングには分類・グループ分け・予測も含まれ、目的を決めて使うこともある
- 誤答にはデータ中心アプローチなど、名前の似た語が並ぶ
「関連性」「規則性」という言葉を見つけたら、データマイニングを思い出してみてください。
この用語が出てくる回
データウェアハウスとデータマイニングは、ほかのデータ利活用のキーワードとセットで出題されます。関連する用語をまとめて確認したいときは、次の記事も参考にしてください。
動画で学ぶ
データ利活用のキーワードは、YouTubeでも解説しています。音声と図解で学びたいときは、こちらもご覧ください。
- ITパスポート試験対策 part1-4 業務分析・データ利活用②(通常版): https://youtu.be/RL-ZZKJZoZA
- ITパスポート試験対策 part1-4 業務分析・データ利活用②(ゆっくり版): https://youtu.be/_4Yb2eDwc98


