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パレート図とABC分析|どこから手を付けるかを決める図の読み方【ITパスポート】

シカラボ編集部
パレート図とABC分析|どこから手を付けるかを決める図の読み方【ITパスポート】

扱っている商品が100種類あるとします。売上への効き方は、どれも同じでしょうか。たいていは偏っていて、一部の商品が大きな部分を占めています。その偏りを目に見える形にして、どこから手を付けるかを決めるための図が、パレート図です。

パレート図とは

過去問に、そのままの説明があります。

分類項目別に分けたデータを件数の多い順に並べた棒グラフで示し、重ねて総件数に対する比率の累積和を折れ線グラフで示した図

(出典:ITパスポート試験 平成23年秋期 問14)

要素は2つです。

  1. 件数の多い順に並べた棒グラフ
  2. 総件数に対する比率の累積和を表す折れ線
左から件数の多い順に棒グラフが並び、その上に累積百分率の折れ線が重なった図。上位の項目で累積が大きく伸び、右にいくほど折れ線が寝ていく。左端の項目が優先候補になることを示している

棒は左にいくほど高くなります。多い順に並べるという決まりからそうなるので、必ずそうです。

いっぽう折れ線がどれくらい急に立ち上がるかは、データ次第です。上位に集中していれば左端で一気に伸び、どの項目も似た件数ならゆるやかな直線に近づきます。「必ず上位2割で8割を占める」わけではありません。

この図は、「偏っているかどうかを確かめ、偏っているならどこに集中しているかを見る」ために使うと考えてみてください。

折れ線が左端で大きく伸びていれば、上位の数項目を減らすだけで全体に効く可能性が高く、そこが優先候補になります。

試験では、パレート図は「重点的に解消すべき課題を明らかにする」(平成28年秋期 問50)など、優先して取り組む対象を決める図として正解になります。ただし実務では、この図が示すのは集計に使った指標での大きさだけで、件数が多くても損害が小さい項目もあれば、その逆もあります。

ABC分析とは

同じ「偏り」を、グループ分けに使うのがABC分析です。

たとえば商品を売上高などの大きい順に並べ、全体に対する累積構成比を基準に、重要度の高いほうからA・B・Cの3段階に分ける、というやり方をします。累積構成比は、パレート図の折れ線が表している値です。

商品を売上高の累積構成比を基準にA・B・Cの3段階に分けた図。この例ではAまでの累積構成比が70%、Bまでが90%。Aは品目数が少ないのに構成比が大きく、Cは品目数が多いのに構成比が小さいことを示している

扱いは、グループごとに変えます。

グループ特徴扱い方の例
A品目数は少ないが、全体の大部分を占める重点的に管理する
B中間標準的に管理する
C品目数は多いが、寄与は小さい手間をかけすぎない

基準にする値は、目的によって変わります。過去問には、「自社の仕入金額全体に占める割合が大きい部品を、重点的に在庫管理を行う対象として選びたい」という出題もあり(平成23年度特別 問11)、正解はやはりパレート図でした。

2つはセットで問われます。パレート図が偏りを図で見せ、ABC分析がその偏りでグループに分ける、という関係だと覚えておきましょう。実際「ABC分析で使用する図として、適切なものはどれか」(平成26年春期 問14)という出題もあり、正解はパレート図でした。

似た図との見分け方

誤答としてよく並ぶ図も整理しておきましょう。

図の名前何を表す図か見分けるための言葉
パレート図件数の多い順に棒で並べ、比率の累積和を折れ線で重ねる多い順 + 累積・原因別に集計
特性要因図結果に影響する要因を、魚の骨の形で整理する魚の骨
ヒストグラム数値を一定の範囲ごとに区切り、度数を柱で表すばらつき・分布
散布図2つの項目を縦軸と横軸に取り、点で表す2項目の関係
管理図時間の経過に沿って値を打ち、上下の限界線と比べる時間・限界線

「原因別に集計して発生頻度の高い順に並べ」た図(平成31年春期 問41)もパレート図です。「原因」だけでは特性要因図に決められません。

棒が並んでいる図は2つ。パレート図とヒストグラムです。見分け方は「並び順」で、パレート図は多い順、ヒストグラムは数値の範囲の順に並びます。

試験ではこう出る

まずは、パレート図を選ぶ形から。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和4年度 問31

コールセンタの顧客サービスレベルを改善するために、顧客から寄せられたコールセンタ対応に関する苦情を分類集計する。苦情の多い順に、件数を棒グラフ、累積百分率を折れ線グラフで表し、対応の優先度を判断するのに適した図はどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はエです。

正答の理由

問題文に「苦情の多い順」「件数を棒グラフ」「累積百分率を折れ線グラフ」の3つが書かれています。多い順の棒と累積の折れ線が組み合わさった図はパレート図だけです。

誤答の解説

  • ❌ ア「PERT図」→ 作業の前後関係をネットワークで表す図。スケジュール管理に使います
  • ❌ イ「管理図」→ 時間の経過に沿って値を打ち、上下の限界線からのはみ出しを見る図
  • ❌ ウ「特性要因図」→ 候補となる原因を魚の骨の形で整理する図です

ポイント

  • 決め手は「多い順の棒グラフ」と「累積百分率の折れ線」の組合せ。累積の折れ線だけでは決まりません
  • 特性要因図は原因の候補を魚の骨の形で整理する図で、優先度を決める図ではない

もう1問、ABC分析も確かめておきましょう。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和3年度 問21

ABC分析の事例として、適切なものはどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はイです。

正答の理由

「売上高の高い順に三つのグループに分類する」がABC分析そのものです。大きい順に並べ、累積構成比を基準に分けるという点が決め手です。

誤答の解説

  • ❌ ア「時代、年齢、世代の三つの観点」→ コーホート分析。消費行動などを、時代・年齢・世代の影響に分けて分析します
  • ❌ ウ「顧客、競合、自社の三つの観点」→ 3C分析。マーケティング環境を整理する枠組みです
  • ❌ エ「最新購買日、購買頻度、購買金額」→ RFM分析。顧客を3つの指標で評価します

ポイント

  • 「三つ」に釣られない。選択肢は全部「三つ」で作られています
  • 分かれ目は何を三つに分けたか。ABC分析だけが大きい順に並べて分けています

まとめ

  • パレート図は、件数の多い順に棒で並べ、比率の累積和を折れ線で重ねた図
  • 棒が左から高いのは決まりごと。折れ線がどれだけ急に伸びるかはデータ次第で、必ず上位2割に集中するわけではない
  • 左端は優先候補。ただし損害の大きさや対策できるかは別に考える
  • ABC分析は、累積構成比を基準にA・B・Cへ分ける手法。基準の値は売上高に限らず、仕入金額などの例もある
  • ABC分析で使う図はパレート図。セットで覚える

「多い順の棒 + 累積の折れ線」を見つけたら、パレート図を思い出してみてください。

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