DNSの仕組み|ドメイン名とIPアドレスを対応付ける【ITパスポート】

友人に電話をかけるとき、番号を覚えている人は少ないのではないでしょうか。名前で連絡先を探して、そこから番号が引かれます。インターネットでも同じことが起きています。人が打ち込むのは www.example.co.jp という名前ですが、通信に必要なのは番号のほうです。この橋渡しをするのがDNSです。
DNSとは
DNS(Domain Name System)とは、ホスト名やドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組みです。
ドメイン名とIPアドレスの対応付けを行う。
(出典:ITパスポート試験 令和元年秋期 問91)
もう少し詳しい書き方も過去問にあります。
インターネットに接続された機器のホスト名とIPアドレスを対応させるシステムである。
(出典:ITパスポート試験 平成21年春期 問59)
まずは「名前」と「番号」を結びつけるもの、と覚えておきましょう。名前を受け取って番号を答える役目のサーバを、DNSサーバと呼びます。平成26年春期の問71では、その機能が「問合せのあったホスト名のIPアドレスを回答する」と書かれました。シラバス上はテクノロジ系のネットワーク応用に含まれます。
具体例でイメージをつかむ
たとえばブラウザに www.example.co.jp と打ち込んだとき、裏側ではこう動いています。
- ブラウザ(実際にはOSの名前解決の仕組み)が、設定されたDNSサーバに「
www.example.co.jpの番号を教えて」と問い合わせる - DNSサーバがIPアドレスを回答する
- ブラウザはそのIPアドレス宛てに通信する

ここで面白いのが、名前を引けなくなるとどうなるかです。平成29年春期の問66は、まさにその場面を出しています。URLを正しく入力しても接続できないのに、あらかじめ調べておいたIPアドレスなら接続できた。この状況で疑うのは何か、という問題です。
答えはDNSサーバの障害でした。番号で直接かけられたのだから、疑わしいのは名前から番号を引く工程のほうです。どこまでできて、どこからできないのかを並べると、原因の見当がつきます。切り分けの考え方がそのまま問題になっているわけです。この形は覚えておきましょう。
なお、DNSを狙った攻撃もシラバスに載っています。DNSキャッシュポイズニングです。令和3年の問56は、これを「利用者を偽のサイトへ誘導する攻撃」として出題しました。名前とIPアドレスの対応を一時的に覚えている(キャッシュしている)DNSサーバに、誤った対応を記憶させる攻撃です。名前と番号の対応が信用できなくなると何が起きるか、と読んでみてください。
DHCP・HTTPSとの違い
DNSの選択肢には、同じネットワークの場面で働く別の仕組みが並びます。何と何を結びつけるかで区別しておきましょう。
| 仕組み | 何をするか |
|---|---|
| DNS | 名前(ホスト名やドメイン名)からIPアドレスを引く |
| DHCP | つなぎに来たコンピュータに、IPアドレスなどを割り当てる |
| HTTPS | Webサーバとの通信を暗号化する |

覚え方は「名前を引くDNS、番号を配るDHCP」です。
もう1つ、DNSの誤答に紛れ込むのがMACアドレスです。平成31年春期の問57では「IPアドレスとMACアドレスを対応付ける」が誤答に並んでいました。対応付ける相手を1語だけ入れ替えた選択肢です。MACアドレスが出てきたらDNSではない、と覚えておくと速く切れます。
試験ではこう出る
過去問で繰り返し出ているのは、DNSの説明を選ばせる形です(令和元年秋期 問91、平成31年春期 問57、平成21年春期 問59など)。このほか、障害の切り分け(平成29年春期 問66)とDNSキャッシュポイズニング(令和3年 問56、令和6年 問100)も出ています。ドメイン名やURLそのものを問う形(令和3年 問98、平成27年春期 問60など)もあります。切り分けは具体例で見たので、まずは説明のほうからどうぞ。
腕試し問題
出典:ITパスポート試験 令和7年度 問58
DNSの説明として、適切なものはどれか。
解答と解説
解説(解答せずに開けます)
正解はウです。
「ホスト名やドメイン名と、IPアドレスを対応付ける仕組み」がDNSです。
- ❌ ア「IPアドレスなどを自動的に割り当てるプロトコル」→ DHCPです
- ❌ イ「通信を暗号化してセキュリティを高めるプロトコル」→ HTTPSなどの説明です
- ❌ エ「ホスト名やドメイン名と、MACアドレスを対応付ける」→ 対応付ける相手が違います
もう1問は、URLそのものを問う形です。URLの中で、どこがコンピュータの名前にあたるでしょうか。
腕試し問題
出典:ITパスポート試験 平成30年春期 問64
インターネットでURLが“http://srv01.ipa.go.jp/abc.html”のWebページにアクセスするとき、このURL中の“srv01”は何を表しているか。
解答と解説
解説(解答せずに開けます)
正解はエです。
URLの srv01.ipa.go.jp が名前の部分です。後ろの ipa.go.jp がドメイン名です。その前に付く srv01 が、そのドメインに属するコンピュータのホスト名にあたります。DNSはこの名前を、まとめてIPアドレスに対応付けます。
- ❌ ア「“ipa.go.jp”がWebサービスであること」→ ホスト名は個々のコンピュータに付ける名前で、サービスの種類を表すとは限りません
- ❌ イ「アクセスを要求するWebページのファイル名」→ どのページを求めるかを示すのは、末尾の
/abc.html(パス)です - ❌ ウ「通信プロトコルとしてHTTP又はHTTPSを指定できること」→ プロトコルは先頭の
http://が表しています
まとめ
- DNSは、ホスト名やドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組み
- DNSサーバは、問合せのあったホスト名のIPアドレスを回答する
- 試験でURLでは開けないのにIPアドレスなら開ける場面が出たら、まずDNSの障害を疑う
- DHCPはIPアドレスを割り当てる、HTTPSは通信を暗号化する。MACアドレスが出てきたらDNSではない
- DNSキャッシュポイズニングは、対応付けの管理情報を書き換えて偽のサイトへ誘導する攻撃
選択肢は1語だけ違うものが並びます。「名前と何を結ぶのか」を最後まで確かめてみてください。


