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PPMの4つの領域|花形・金のなる木・問題児・負け犬の見分け方【ITパスポート】

シカラボ編集部
PPMの4つの領域|花形・金のなる木・問題児・負け犬の見分け方【ITパスポート】

花形、金のなる木、問題児、負け犬と、なかなか個性的な単語が出てくるのがPPMですが、考えていることは真剣そのもので、経営を行う上では非常に重要な考え方です。ITパスポート試験でも、4つの領域の位置関係が繰り返し問われています。名前だけ覚えても位置がわからなければ解けませんが、2本の軸のどこにあるかさえつかめば、4つとも一度に整理できます。

PPMとは

PPM(Product Portfolio Management)とは、複数の事業や製品を2つの軸で分類して、経営資源の配分を考える手法です。

複数の製品や事業を市場シェアと市場成長率の視点から判断して、最適な経営資源の配分を行う。

(出典:ITパスポート試験 平成29年春期 問34)

軸の置き方も出題されています。令和2年の問21では「横軸に相対マーケットシェア、縦軸に市場成長率」と書かれました。シェアと成長率の2軸、と押さえておきましょう。

なお、横軸の呼び名は年度で揺れます。平成26年秋期の問19は「市場占有率」、平成28年秋期の問34は「自社のマーケットシェア」、令和2年の問21は「相対マーケットシェア」でした。「相対」がつくものは、競合と比べたシェアを指します。ただし、どの呼び名でも問われるのはシェアが高いか低いかという位置です。

限られた資金を、どの事業に回してどの事業から引き上げるか。それを決めるための地図がPPMです。シラバス上はストラテジ系の経営戦略手法に含まれます。

具体例でイメージをつかむ

2軸を組み合わせると、事業は4つの場所のどこかに入ります。名前と位置の対応を見ておきましょう。

領域市場成長率市場占有率どういう事業か
花形高い高い大きな売上がもたらされるが、競争力維持のために継続的な投資が必要
金のなる木低い高い事業拡大のための積極的な投資を必要としないので、収益源になる
問題児高い低い今後の収益の柱に育てるため、積極的な投資が必要
負け犬低い低い長期的な期待を掛けられないので、撤退も検討する
市場成長率と市場占有率の2軸で、花形・金のなる木・問題児・負け犬の4領域に分かれることを示した図

この4つの説明は、平成26年秋期の問19が選択肢に並べています。表現はそこから整理しました。

たとえば「金のなる木」は、平成28年秋期の問34で「市場成長率は低いが、自社のマーケットシェアは高い事業」と定義されています。市場の成長が緩やかなので、成長に対応する追加投資は少なくて済みます。そのぶん稼いだお金が手元に残ります。ここで得た資金を、育つ見込みのある「問題児」に回す。これが典型的な使い方です。

架空の飲料メーカーで並べてみましょう。急に伸びている微炭酸の市場で1位を取っている新商品が花形です。もう伸びない緑茶市場で高いシェアを保つ定番商品が金のなる木。急成長中のエナジードリンク市場に参入したばかりで、シェアの低い商品が問題児。縮んでいく缶コーヒー市場でシェアも低い商品が負け犬です。

覚え方は「成長率が高くシェアが低いのが問題児、成長率が低くシェアが高いのが金のなる木」です。この2つを押さえれば、残りの2つは対角線で決まります。

SWOT分析・ABC分析との違い

令和2年の問21では、誤答としてABC分析・SWOT分析・バリューチェーン分析が並びました。どれも分析の手法なので、何と何を見るかで区別しておきましょう。

手法何を見るか
PPM市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分類する
SWOT分析強み・弱み・機会・脅威の4つで、自社と事業環境を整理する
ABC分析値の高い順にA・B・Cへグループ分けする
バリューチェーン分析事業活動を機能ごとに分け、どこで価値が生まれるかを見る
PPMは市場成長率とシェアで分類、SWOT分析は強み・弱み・機会・脅威、ABC分析は値の高い順にグループ分け、バリューチェーン分析は価値がどこで生まれるか、という違いを並べ、PPMを強調した図

ここに挙げた4つの中で、市場成長率とシェアという2つの指標で事業の位置を決めるのはPPMです。決め手は軸の本数ではなく、「市場成長率」と「シェア」の2語がそろっているかどうか。この2つが出てきたらPPMを疑ってみてください。なお、バランススコアカードも4つに分けますが、あちらは評価の視点であって事業の分類ではありません。

試験ではこう出る

よく出るのは次の2つです。手法の名前を選ばせる形と、領域の位置を問う形です。まずは名前からどうぞ。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和2年度 問21

横軸に相対マーケットシェア、縦軸に市場成長率を用いて自社の製品や事業の戦略的位置付けを分析する手法はどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はイです。

「相対マーケットシェア」と「市場成長率」の2軸が出てきたら、PPM分析で確定します。

  • ❌ ア「ABC分析」→ 値の高い順にグループ分けする手法です
  • ❌ ウ「SWOT分析」→ 強み・弱み・機会・脅威で整理する手法です
  • ❌ エ「バリューチェーン分析」→ 事業活動のどこで価値が生まれるかを見る手法です

もう1問、領域の位置も解いてみましょう。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和3年度 問23

プロダクトポートフォリオマネジメントは、企業の経営資源を最適配分するために使用する手法であり、製品やサービスの市場成長率と市場におけるシェアから、その戦略的な位置付けを四つの領域に分類する。市場シェアは低いが急成長市場にあり、将来の成長のために多くの資金投入が必要となる領域はどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はエです。

シェアは低いのに市場が急成長していて、これから多くの資金を投じる必要がある領域が問われています。伸びる市場でシェアが低い位置なので、問題児にあたります。

  • ❌ ア「金のなる木」→ 成長率が低く、シェアが高い領域です
  • ❌ イ「花形」→ 成長率もシェアも高い領域です
  • ❌ ウ「負け犬」→ 成長率もシェアも低い領域です

選択肢の形は1つではありません。この問題のように領域名がそのまま並ぶもののほか、平成26年秋期の問19のように領域名を書かずに説明文だけを並べるものもあります。平成28年秋期の問34は成長率とシェアの高低の条件文が並び、平成31年春期の問26はPPMの図から商品を選ぶ形でした。どの形でも、軸のどちらが高いのかを読み取る手順は同じです。

まとめ

  • PPMは、市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分類し、経営資源の配分を考える手法
  • 花形=両方高い、金のなる木=成長率が低くシェアが高い、問題児=成長率が高くシェアが低い、負け犬=両方低い
  • 金のなる木は事業拡大のための積極的な投資を必要としない収益源、負け犬は撤退も検討する
  • 問題児は「今後の収益の柱に育てるため、積極的な投資が必要」な位置
  • SWOT分析は環境の整理、ABC分析はグループ分け。市場成長率とシェアで位置を決めるのがPPM

名前の由来から入ると混乱しますが、軸から入ればまず間違えません。「成長率」と「シェア」のどちらが高いのかを、選択肢のたびに確かめてみてください。

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