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RPAとは何をするものか——得意な仕事と、苦手な仕事【ITパスポート】

シカラボ編集部
RPAとは何をするものか——得意な仕事と、苦手な仕事【ITパスポート】

毎朝、届いた注文メールを開いて、別のシステムに同じ内容を打ち込む——。そういう作業に心当たりはないでしょうか。頭は使わないのに時間だけ取られて、しかも打ち間違いが怖い。この手の仕事をそっくり肩代わりするのがRPAです。ITパスポート試験では平成31年から令和7年まで毎年のように出ていて、聞かれ方もはっきりしています。

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、事務作業をソフトウェアのロボットに代わりにやらせる仕組みです。

ホワイトカラーの定型的な事務作業を、ソフトウェアで実現されたロボットに代替させることによって、自動化や効率化を図る。

(出典:ITパスポート試験 平成31年春期 問19)

キーワードは「ホワイトカラーの」「定型的な」「ソフトウェアで実現された」の3つです。ここだけは正確に覚えておきましょう。工場のロボットではなく事務職の仕事、しかも手順が決まっている仕事を、機械ではなくソフトウェアが引き受けます。

どんな作業かは、令和元年秋期の問33がそのまま例を出しています。

ルール化された定型的な操作を人間の代わりに自動で行うソフトウェアが、インターネットで受け付けた注文データを配送システムに転記する。

(出典:ITパスポート試験 令和元年秋期 問33)

システムからシステムへの転記。これがRPAのいちばん典型的な仕事です。シラバス上はストラテジ系の「システム戦略」に含まれる業務プロセスのキーワードで、近年よく問われています。

具体例でイメージをつかむ

得意な仕事と苦手な仕事を並べてみましょう。境目がはっきりします。

例RPAに向くか
データ入力受注データをPCで入力・更新する向く(手順が決まっている)
注文処理受注データを配送システムに転記する向く(入力と転記の繰り返し)
部品の製造同じ設計の部品を工場で大量に製造する向かない(ハードウェアの仕事)
データ分析購買データから新しい法則を見つける向かない(データマイニングの役割)
RPAは事務職の仕事で手順が決まった作業に向き、工場でハードウェアが動く作業や、法則を見つける作業には向かないことを示した図

たとえば受注データの入力や更新は、令和3年の問11でRPAに適している作業として正解になっています。PCで行う作業で、しかも手順が決まっているからです。人がやると単純作業ですが、機械にとってはちょうどよい仕事になります。

反対に、「膨大な顧客の購買データから、購買行動に関する新たな法則を見つける業務」は向きません。これはデータウェアハウスとデータマイニングで扱った、データマイニングの役割です。RPAが得意とする、手順が決まった事務作業の繰り返しとは区別しましょう。

見分けるコツは2段です。まず事務職の仕事かどうか——工場でロボットが動くのはハードウェアの仕事、法則を見つけるのはデータマイニングの役割で、どちらも対象外です。次にその作業をそのまま手順書に書けるかどうか。両方に当てはまるならRPA向き、どちらかが外れるなら別の手立てが要ります。

産業用ロボット・アウトソーシングとの違い

「ロボット」という語のせいで、工場の機械と混ざりやすいところです。平成31年春期の問19では、まさにその混同を誘う選択肢が並びました。

何をするものか
RPA事務作業を、ソフトウェアのロボットに代わりにやらせる
産業用ロボット組立てや搬送などをハードウェアのロボットで自動化する
アウトソーシング業務を外部の組織に委託する
RPAはソフトウェア、産業用ロボットはハードウェア、アウトソーシングは外部への委託という違いを並べた図

覚え方は「RPAのロボットは画面の中にいる」です。物理的に動くものは出てきません。人の代わりにキーボードとマウスを操作している、と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

なお、RPAは入れて終わりの道具ではありません。令和6年の問50には、RPAソフトウェアの品質特性を問う出題があります。そこには「操作対象のアプリケーションがバージョンアップされても、簡単な設定変更で対応できる」という選択肢が並びます。操作する相手が変わったときに手を入れる場面がある、という前提でRPAが語られているわけです。

試験ではこう出る

よく出るのは、RPAに向く業務や活用方法を選ばせる形です。説明文そのものを選ばせる形もありますが、上の定義を押さえていれば迷いません。まずは活用方法からどうぞ。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和5年度 問5

企業でのRPAの活用方法として、最も適切なものはどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はエです。

RPAが引き受けるのは定型的な事務作業でした。選択肢の中で、その代表的な用途をそのまま示しているのはエです。

  • ❌ ア「M&Aといった経営層が行う重要な戦略の採択」→ 判断そのものを任せる仕事。手順が決まっていません
  • ❌ イ「個人の嗜好に合わせたサービスの提供」→ 相手ごとに中身が変わるというだけでは、定型かどうか決められません。RPAの代表的な用途をそのまま示すエのほうが確実です
  • ❌ ウ「潜在顧客層に関する大量の行動データからの規則性抽出」→ 規則性を見つけるのはデータマイニングの役割。手順が決まった事務作業の繰り返しとは別物です

もう1問、業務を選ばせる形も解いてみましょう。

腕試し問題

出典:ITパスポート試験 令和6年度 問16

RPAが適用できる業務として、最も適切なものはどれか。

解答と解説

解説(解答せずに開けます)

正解はイです。交通費精算は、決まったデータから決まった手順で伝票を作る仕事なので、RPAに向いています。アの「プログラムを自動で改善する」とエの「新たな法則を見つける」は、どちらもRPAが得意とする手順が決まった事務作業の繰り返しではありません。エはデータマイニングの役割です。ウは産業用ロボットの話になります。

まとめ

  • RPAは、ホワイトカラーの定型的な事務作業をソフトウェアのロボットに代替させる仕組み
  • 得意なのは転記・精算のように手順が決まった事務作業。事務職の仕事で、手順書に書けるかどうかが目安になる
  • 新しい法則を見つける仕事は向かない。それはデータマイニングの領分
  • 「ロボット」でもハードウェアは扱わない。産業用ロボットとは別物
  • 操作する相手のアプリケーションが変わったときは、設定を見直す場面がある。入れれば終わりという道具ではない

選択肢に「ホワイトカラー」「定型的」「ソフトウェア」がそろって出てきたら、まずRPAを疑ってみてください。「定型的」だけではRPAとは決まりません——「工場」「組立て」と一緒に出てきたら、産業用ロボットのほうです。

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